公開授業のお知らせ

  
  3月上旬に以下の単元で授業公開を予定しています。事前に情報交換しましょう。
 
  学年;3年○組
  教科;算数
  単元;重さ
  教科書会社の指導計画 (時数) 
    ・直接比較と間接比較による重さについての動機づけ(1)
    ・秤による測定、普遍単位「g」の導入(1)
    ・「kg」の導入、gとの関係)(1)
    ・重さづくりによる1kg等の重さの量感(1)
    ・秤の選択と重さの見当づけ(1)←予定授業
    ・重さの簡単な加法と減法(1)
    ・基本のたしかめ(1)
  授業者からのコメント募集
    ・児童が興味をもつ工夫
    ・板書のしかた







  

  応用行動分析学 その3 プロンプト

●プロンプト(prompt)
  行動を形成したりその生起率を上昇させるために与える付加的な手がかり刺激のことである。行動の自発性を生み出すには、与えられる回数や強さなどを徐々に少なくしていく必要がある。
●フェイディング(fading)
 行動を形成する上で手がかり刺激(プロンプト)を有効に用いる手続きのこと。プロンプトを徐々に増やしていくフェイド・イン手続きと、徐々になくしていくフェイド・アウト手続きがある。  
  応用行動分析学入門 山本淳一 加藤哲文 小林重雄    学苑社 1997

  厳密にいうと、単位換算表がプロンプトといえるかどうかという問題がありますが、私達は日々授業実践していくことが仕事であり、理論的に検討していくことが重要なのではありません。良さそうなことを、目の前の子どもに合うようにその都度アレンジして使うことの方が、何もしないよりは意味があると考えます。理論?は、そのための有効なヒントになるはずですから、情報交換していきましょう!
  単位換算表のフェイド・アウト例

  1. 表の切り抜き欄に数字を記入し、単位を変換する方法を、教師が一通り書きながらやって見せましょう。(口頭説明だけではだめです。必ず全部やって見せましょう。ここで大事なのは、全部やって見せるということです。長さをやったから、重さはできるだろう・・・と思わないことです。それができるのであれば、表は必要ありません。cm→mができても逆はできないだろうと考えましょう。)
  2. 1問でも良いので、一人の児童が解くのをじっくり見守りましょう。(どこで混乱しているのかを見取りましょう。)
  3. 表が使えるようになったら、徐々に使用を減らしていきましょう。(時々、ジーと見る→時々、チラッと見る・・・)
  4. 表を自分で思い出しながら書くことができるようになったら安心です。(必要な単位の表がさっと書けるようになるといいですね。)
  5. 時々、表を書き出す練習をしましょう。(リハーサルして長期記憶へ!)

視覚支援プロンプトとしての「単位換算表」               

  2年生で長さ→3年で長さ+液量+重さ→4年で面積→高学年で、面積と体積・・・・・・6年生になった時には、何が何やら混乱してしまっている子ども達もいることでしょう。それぞれの学年ではわかっていたのに・・・忘れたのかしら???しかし、今さら初出単元のように復習している時間的余裕もないし・・・だったら、単位換算表を視覚支援シートとして使ってみたらどうでしょう。表は、ごく一般的にあるものです。封筒式やプリント式等、さまざまなアイデアが発表されていますね。昔は?「キロキロとヘクトデカけてメートルが、デシにとられてセンチミリミリ」なんて指導しませんでしたか?中央部分を切り取って数字を記入できるようにし、試用として6年生に少しお渡ししました(2/8)。改良点がありましたらアイデアください。三原市水道局に以下のようなデータがありました。授業に使えますか?

水の無駄遣いには要注意
使用水量は、シャワー1分間で約12リットルとすると5分間で約60リットル。一般的なお風呂の水量約200リットルに比べて少なくて済むのもポイントです。ただし、たとえば4人家族が1人5分間ずつ使えば240リットルになり、お風呂とあまり変わらないことになります。シャワーをこまめに止めるなど、一人ひとりが水を無駄にしないように心がけましょう。

  応用行動分析学 その2 行動のABC

●行動のABCとは?
  療育技法マニュアル第三集(自閉症編)神奈川県児童医療福祉財団「お母さんのための行動変容法」1989 がとてもわかりやすいので、ちょっと引用させていただきます。今は、行動分析学は行動のみ、認知心理学はコンピューターモデルの情報処理のみ・・・というようなことはありませんが、基本的な考え方を確認することができます。

1 行動のABCとは、行動が学習される原理を理解するための基本です。ABCのうち、Aは(  )のことで、Bは(  )、Cは(  )のことです。そして、子供の行動の変化を予測するために、私達はまず(  )に着目します。
2 行動の3原理とは、(  )の原理、(  )の原理、(  )の原理のことです。ある行動にその子にとって良い結果が伴い、行動が増加することを、(  )の原理といい、その子にとって良くも悪くもない結果が伴い、行動が減少することを、(  )の原理と言い、そしてその子にとって悪い結果が伴い、急激にその行動が減少することを、(  )の原理と言います。

1(答) 先行事象、行動、結果事象、結果事象またはC
2(答) 強化、消去、罰、強化、消去、罰

  

  応用行動分析学 その1 ストラテジーシート

  応用行動分析学というと何だろうと思われるかもしれませんが・・・

ABC分析とは?
応用行動分析学における「行動を理解する」ための枠組みである。子どもの行動は、子どもの置かれている環境との相互作用により生じる。子どもの行動を変容させるためには、行動の前後に起こっている出来事を知り、それらをコントロールするという「個人」と「環境」に対する双方的なアプローチが必要となる。
「支○を○な○」平成19年4月の冊子 (P.27)

とあるように、特別支援教育では当たり前のように受け入れられている考え方です。子どもの内面の心の動きではなく、子どもの行動にアプローチしようというスッキリした理論と方法は、効果が目に見える形で実感できることから多くの人に支持されています。通常学級では、子どもの内面を重視し、脳内の情報処理を仮定した方法論からアプローチすることが多いのですが、特別支援を行う場合には、やはり必要になってくる考え方だと思われます。
  そこで、校内で実践している支援方法について、時々?研修として?用語確認をしていきたいと思います。「何やってるのかと思ったら、そういうことだったのか」というような場になれば幸いです。

●ストラテジーシート
  まず、「支○を○な○」(P.28)をご覧ください。気になる行動の「A事前」「B行動」「C事後」の記入用シートのことです。特別支援関係書類入れの中に入っています。子どもの行動を振り返る視点が図解されているので、記入しながら行動分析ができるという便利なシートです。応用行動分析といえばABC分析というふうに、書籍もたくさんありますね。いつかこのシートを使って話し合いができるといいなあと思っています。

  子どもにとって 負担の少ないアセスメントのために

  子どものことについて心配になると、保護者はいろいろな外部機関へ相談に行かれます。今は、学校よりも先に外部機関へ行かれることも珍しくありません。そこで、「検査をやってみましょう」という話になってから、学校へ連絡が入ってくることもあります。そういう時は、校内の特別支援教育コーディネーターへ連絡するようにしましょう。複数の外部機関がかかわっていることもありますので、連携・調整していく必要があるからです。同じような検査を何度も受けることになっては、子どもが大変です。各機関同士の連携は実際には難しい面がありますので、それらを日常の教育活動の中で統合していくことは、学校に任されている現状だといえましょう。