子ども銀行トークンシステム

  特別支援学級では、コイン積み立て方式のトークンシステムを行っています。活動ごとのめあてと金額を、子どもと相談して決めておきます。毎日帰りの会でポイントを集計し、自分の通帳と一日のご褒美おもちゃコインを持って、子ども銀行(担任窓口)へ預けておきます。自分の好きなことや楽しみも考えておいて、目標金額まで貯まったら自分のポイントを引き出して使います。おもちゃコインでお金の勉強も兼ねながら、将来的に働くことや金銭生活への意識を高めることまでをねらった総合的な学習システムです。月末には、通帳を自宅へ持ち帰って保護者に報告します。この時、家庭でご褒美と交換する場合もあります。
  昨年から、通常学級の数名の子ども達に一部活用してきました。数人の教師の連携によって、丸印をカウントする方法で行ったところ、子ども自身が集計を楽しみにする姿も見られるようになってきました。先週、ポイントを引き出して、ペーパークラフトのねずみを嬉しそうに持って帰った子どもがいます。



  応用行動分析学 その4 無誤学習

応用行動分析学入門―障害児者のコミュニケーション行動の実現を目指す

応用行動分析学入門―障害児者のコミュニケーション行動の実現を目指す


 今までにも何度か引用しましたので、本のカバーを掲載させていただきました。この中の用語集からです。

無誤学習(errorless learning)

  さまざまな行動やスキルを学習させる場合に、試行錯誤を繰り返して次第にターゲット行動を形成していく方法ではなく、誤反応を生起させないでターゲット行動をすみやかに形成していく方法のことである。その際、弁別刺激を徐々に変化させていったり、プロンプトを徐々に減らしてゆくなどの手続きを用いる。


弁別刺激(discriminative stimulus)

  特定の行動を自発させるきっかけ(機会)となる刺激のこと。環境の側のさまざまな先行刺激のうち、特定の行動に対して効果をもつようになった刺激のことを言う。

  無誤学習というのは、特別支援教育における基本的な考え方の一つですが、通常学級での指導常識?とはかなり違っています。通常学級では、失敗を気にしない意欲的な態度が好まれる傾向にあるといえますが、特別支援教育サイドでは、失敗させないことが基本です。一度失敗させたらもう二度と取り組んでくれない確立が高いからです。学習ターゲットは、先行指導。最初にしっかり教えて、そして様子を見ながらフェイド・アウトしていきます。自由にさせておいて、「なんでそんなことするの〜」「それはだめでしょ」「何やってんの〜〜〜」とならないように・・・

 今後の研修予定

  2月27日(水)は、教育課程推進委員会より会議の残余時間があるという連絡がありませんので、予定通り研修全体会は行いません。各グループのまとめ締め切り日となっておりますので、よろしくお願いいたします。
  本ブログは、2月27日(水)に、各研修グループの報告コメントを記入していただき終了といたします。その後は、2月28日(木)「1年を振り返って」(研修の反省コメント用)と、3月に授業公開が行われた日のコメント記入用の2回だけとします。以降、3月31日(月)までコメントはご記入いただけます。閲覧は、4月30日(水)までとなります。

 ノート指導について

                             
  最近のワークブックは、とても親切にできています。記号選択、空欄の穴埋め、単語の長さにぴったりの記述枠など、カラフルでコンパクトです。例えば理科の場合、実験の方法はここへ穴埋め、結果はこの写真の説明として単語3つ位で・・・。ほとんどの場合、何が結果で何が考察なのかを考える必要さえないように丁寧に作成されています。
  本来ならば、記録をどのように書くのかを見ればその児童の科学的思考のレベルがわかるものです。実験の目的、制御条件等が把握できていないと、記録することはできないものです。単なる「知識の陳述」(ブルーアー)になっているのか、自分で考えたことを検証しようとしているのか・・・白紙のノート(罫線ありも可)にタップリ書いて表現する時間も必要ではないでしょうか。ついつい児童のためにと作成してしまうワークシートは、思考(感想ではなく、科学的発想・思考のこと)を表現するには狭すぎることが多く、整理にも手間がかかり、罫線がないため字が乱れてしまいがちです。
  そこで、科学的思考力を高めるためのノート指導ができないだろうか?・・・と第2グループの研修メンバーで時々話し合ってきました。2学期に、下のような定型文を考え、発表とノートに活用できないかと思案中です。いっしょにやってみたい方はいらっしゃいませんか?興味のある方募集中です!(提示用カード貸し出し可)

    

  重さの単位 g から kg ・・・そして t へ


   重さの単位の学習で、長さの単位を想起できるような印象的な教材提示はできないだろうか?本日、3年部でちょこっと教材研究会を行いました。いわゆる表象としてのイメージは、長さから台秤へではなく、目の前の秤を見ながら、既習事項である長さへ導いた方が無理がないだろうということで、台秤の目盛りを展開していく方法にしました。円の面積の学習?ではありません。あくまでもgとkg・・・tの関係をイメージできることがポイントです。ここから先は、教師の話術が頼りです。
  5年部は、円の面積のシュミレーションを提示されるようです。○か先生、良いソフトがありましたらご披露お願いいたします。
  掲示教材とパソコンは、提示時間に大きな違いがあります。黒板に掲示してあれば、視覚入力の遅い児童も長時間眺めることができます。ただし、展開動作が思うように美しくいきません。パソコンは、流れるようなシュミレーションが一瞬で提示され、最終図形しか残りません。子ども達の表象を強化するために、場面と提示方法の選択をしていかなければなりませんね。結果は、また報告し合いましょう。

  新学習指導要領案が公表されてから、文科省へのアクセスが難しいことがあるようです。3年生授業公開に関連する資料として、算数科の新旧比較表を印刷配布(A42枚)しました。ご覧ください。